上海・中国各地からの手紙

中国に駐在して、7年になります。 なにかと世間?世界?を騒がせる中国からの発信です。 新しいもの好きなんで、スマホ、パソコン、タブレット、ネットネタも発信。 日本にいる方も、海外に駐在する方もどうぞ。

蟻族

中国での住宅バブルの崩壊が予想されて久しいですね。 

上昇率は沈静化してきているように思いますが、高止まりしています。

バランスを崩した価格であっても、圧倒的な需要が底堅いです。

 

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圧倒的な需要を支える力の理由は、2つ感じます。

1 農村地区から、都市への人口流入とその方々の住宅所有率が、低いために、まだまだ、需要のほうが多い。

2 賃貸物件も出回るものの、日本のような借地借家法のように借主の不利益を保護するような法律がなく、形式平等主義に基づくために借家住まいは、きわめて不安定な状況であるため、家を買う要求が極めて強くなる。(とはいえ、地方都市は供給過剰になりつつありますが。。その状況については、また今度。。)

 

特に2の形式平等が何を生むのか? 

日本では考えられない状況が生まれています。(**!

 

通常契約は1年契約です。 家主が長期契約をしたがりません。長くて、2年契約です。 なぜなら、契約をすると、家賃が固定されてしまうので、契約を1年にして、1年ごとに10%-20%ぐらいの値上げをしたいからです。時には、25%以上の値上げを要求される例も聞きます。(;;

空きがでて、無収入期間が発生するリスクより、値上がりできる欲望を優先させます。

 

会社の事務所でも大家の都合で、追い出されます。契約満了であれば、契約を更新する権利は相互平等なので、大家の意思で、更新しないこともしばしばです。 内装工事をして原価償却も終わらない事務所を追い出されることになります! 自宅も追い出されます。 その結果、学校に通っている子供がいる家庭では、大問題になってしまいます。

私もこうした大家都合で2度追い出されました。(@@

 

引越しか?大幅値上げを飲むか?!という不安定な状況が1年に一度訪れます。結婚の条件に家が必要といわれる大きな要因になります。

 上海の比較的高級な住宅では、月払いの家賃という制度もありますが、地方都市では、1年前払いが当たり前です。 1年契約で1年分を前払いしないとアパートを借りることさえできません。 

いやなら借りるな、これが契約の平等主義の実態です。

 

学校を卒業して、都会で仕事をし始める新社会人が住める優良な物件もありません。 大きな家族が住むような物件が大半です。単身で住むような住居は、むしろ外人向けの高級物件になります。

その結果、新社会人は友達とシェアして住むのが普通になるんですよね。 大学生が何人もが一緒のアパートに住んでいて、一人で生活できない人は蟻族とよばれています。 

 

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こんな状況が、実はバブルを支える力になっています。 なんだかなぁ。